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なかむらや

なかむらやについて

なかむらや旅館について

なかむらや旅館は飯坂温泉発祥の地、湯沢地区にあります。江戸末期建築の「江戸館」、明治時代中期建築の「明治館」の二棟からなり、白壁土蔵造りの木造三階建てとして、鯖湖湯、旧堀切邸等とともに地域のシンボル的な建物として長年皆様に親しまれてまいりました。
江戸館正面の二階外壁には鏝絵で装飾された【花菱】【丸に違い鷹の羽】の家紋が二つ仲良く並び、この建物を大切にした先人の想いを強く感じることが出来ます。客室床の間には楓、松,欅、また随所に自然木などを使用しており素朴ながらも味わいのある造りとなっております。(棟梁は不明)

明治館は1896年(明治29年)に増築、外部は江戸館と同じく土蔵三階建て、外壁は総漆喰仕上げです。建物内部は欅を贅沢に使用しており、床の間は書院造で銘木【紫檀(したん)】【黒檀(こくたん)】【鉄刀木(たがやさん)】【黒柿】など現代では手に入らない貴重な材木が使われています。客間の随所に職人の腕の良さが感じられる装飾が施してあり現在ではなかなか見ることのできない技や美しさがあります。当時は三階建ての建造物は非常に珍しく、近郷近在より見物人がやってきたと語り継がれています。
棟梁は伊達市の重要文化財も手掛けた小笠原国太郎氏、現在の維持管理は三浦藤夫氏(三浦工匠店会長、地域歴史文化遺産保全活用推進員)にお願いしております。


  • 江戸末期に建てられた江戸館外観

  • 創業当時から残る大福帳

  • お客様をお迎えする囲炉裏

  • 毎年けんか祭りの期間中に展示する屏風です

  • 季節により変わる料理の一例です

  • 珍しい建物内の「なまこ壁」

旅館内の様子

なかむらや旅館のあゆみ

なかむらや旅館の歴史は元禄元年(1688年)、花菱屋が現在のなかむらや旅館の地で創業したことから始まります。
 明治時代中頃まで18代に亘り土湯温泉にて旅籠を営んでいましたが、たび重なる洪水と火災に悩まされ、このまま土湯に留まっていては家運が衰えると判断して飯坂温泉湯沢地区に移り住むこととしました。明治20年に当時の花菱屋を買受け、明治23年になかむらや旅館として創業して以来、一世紀以上の歴史を重ね、現在は七代目に受け継がれております。
 飯坂温泉湯沢地区は歴史が長く、二世紀ごろには日本武尊が東征の折に、また元禄2年(1689年)には俳聖 松尾芭蕉が奥の細道の途中に立ち寄ったとされる鯖湖湯や旧堀切邸、ほかにも歴史ある建物が数多く残っており、現在でも古き良き温泉情緒を感じられる人気のエリアとなっています。
 平成10年 江戸館・明治館の二棟が文部科学省より国登録有形文化財に指定されました。平成23年3月の東日本大震災で大規模半壊の被害を受けましたが、その後4期工事を経て元の姿に修復された事が評価され、平成28年には第32回福島県建築文化賞において復興賞を受賞しました。
元禄元年 1688 花菱屋(現花水館)が現在のなかむらやの地にて創業
元禄2年 1689 芭蕉「奥の細道」紀行にて、医王寺飯坂(この近辺)に泊まる
元禄14年 1701 赤穂義士の討ち入り
明治元年 1868 明治と改元 東京遷都
明治元年
~2年
1868
~1869
戊辰戦争(白虎隊の悲劇)
明治21年 1888 飯坂大火(湯町より出火)
湯町湯沢類焼鯖湖湯も消失
花菱屋は土蔵のため類焼免れる
明治22年 1889 鯖湖湯再建
明治23年 1890 初代阿部興右衛門土湯より出て花菱屋を買受ける
明治24年 1891 「なかむらや」創業
鯖湖神社建立
明治26年 1893 正岡子規飯坂を訪れ「鯖湖湯」を詠む
夕立や人声こもる湯のけむり 子規
明治27年
~28年
1894
~1895
日清戦争
明治29年 1896 なかむらや新館完成
明治37年
~38年
1904 日露戦争
傷痍軍人が多数逗留
大正2年 1913 初代阿部興右衛門没80歳
大正4年 1915 二代目阿部興右衛門没
大正9年 1920 三代目阿部興右衛門没
大正12年 1923 関東大震災
昭和16年 1941 太平洋戦争勃発
昭和19年 1944
8月より
7月
東京荒川区第二瑞光国民学校
児童70余名疎開当館に滞在す
飯坂大火
昭和30年
~50年代
鯖湖湯の湯治宿として盛況
昭和33年 1958 四代目阿部トミ没86歳
内湯が出来る
昭和44年 1969 五代目阿部敦没62歳
昭和53年 1978 旧館の屋根瓦大改修
平成元年 1989 六代目阿部みよ没75歳
七代目阿部寛に引継ぐ
平成23年 2011 東日本大震災により大規模半壊
平成28年 2016 第32回福島県建築文化賞
復興賞受賞